目指せ300up

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236 本の・少し

⭐ 「運気を磨く」 田坂広志 P258

 ~さて、最後に、本書で述べたことを、もう一度、振り返ってみよう。~

 「運気」をテーマにしながら、その先の世界まで踏み込みもうと、様々な論が展開されていく。
 大事なポイントのひとつで、ぼくが 最も共感を得たのは、"~を前向きに" と「ポジティブ」を意識すると、それと同時に無意識の領域で "でも駄目かも" という「ネガティブ」の二項対立が起こり、人はどう抗っても「ネガティブ」に引っ張られる、という法則。
 読む人それぞれに、新たな発見や気付きがあるはず。
 しかし、感心して終わりでは、この書籍の役割は果たされない。強調や反復、行間、要点のまとめ などで、「読者にとって容易ではない実践」へ手が届くようにと、構成には様々な配慮がなされている。この一行に田坂さんの誠実な人柄を見た。

⭐ 「コスモスの影にはいつも
    誰かが隠れている」藤原新也 P75

 ~なぜそんな不幸なシーンを想像するのだ、
             と自分を戒める~

 「メメント・モリ」の著者でもある藤原新也さんによる、温かさの詰まった短編集の第4話、「ツインカップ」から。
 主人公の感情がほんの一瞬、牙をむくこの場面。こういう行動が伴っていない場合でも「魔が差す」って言うのかな。
 嫌いな人でなく、むしろ好きな人や好感を持っている人の不幸を連想してしまうことがある。普段温厚な人が、とつぜん理不尽な怒り方をすることがある。
 そんな時ぼくは「今はただ、自分やその人に、悪魔が取り憑いているだけ」と考えるようにしている。蝶や蜂が花から花へ移ろうように、そのうち離れていくだろうと。大事なのは悪魔に居心地がいいと思わせないこと。
 この短編で、悪魔の下した審判は....
 
2023 11 11