目指せ300up

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191 本の・少し

 ⭐「一瞬の風になれ 3 ドン」 佐藤多佳子
             P255

~それは突然だった。ほんとに突然やってきた。自分でも理解できなかった~

 高校の陸上部を描いた小説三部作の最終巻。
 短距離種目がメインの物語だけど、ぼくの中ではこのシーンが断トツで好き。なぜなら、レベルは全然違うけど同じ経験をしたことがあるから。 
 400mのラスト100mで足が止まる。それも普段のレースとは別次元のガス欠。当時、同僚にうまく伝えられなかったことが、ここに全部書いてある。
 この物語に触れた陸上部出身者は、自分のやっていた種目によってそれぞれに、思い入れの強い場面が違うはず。
 そしてぼくは、読み返す度に青春時代へ フラッシュバック。

 ⭐「嫌われた監督」鈴木忠平 P289~293

 ~この道を進んで行けばいいんだと
       確信できた瞬間だった。~

 落合ドラゴンズの申し子のひとり、吉見一起の投球スタイルはどうやって確立されたかが、克明に記されている。
 速球派からコントロール重視に変わったという、単純な話ではない。むしろそれらは少年時代からの鍛練で既に備わっていたみたい。問題はプロの世界でどれをどう活かしていくか。
 落合監督、森繁コーチ、谷繁選手の助言を自分なりに解釈し、ピッチング意外のところから活路を見いだしていく吉見投手。130㌔代の球速で試合全体を支配していく。
 延長12回128球を投げ抜いたDNA戦。落合監督との固い握手で自信は確信になり、吉見投手はエースへの道を歩み始める。

2023 6 5