目指せ300up

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260 ひとりごと

        親近感

 超早起き生活を始めてもうすぐ一年。
 毎朝のささやかな楽しみは、新聞が新聞受けに届けられた時に聞こえてくる「カチャッ」っていう音。
 配達員はこんな早い時間に電気がついている一軒に最初は不信感を抱くものの、慣れてくると、同じ時間に起きていることで親近感を抱いたりする。
 何でそんなことが分かるのかというと、ぼくも配達経験者だから。

 配達員には早起き以外にも大変なことがたくさんある。
 まず、配達する家を把握しないといけない。頼りは最初についてくれる先輩と道順が記号で記された専用の手帳。スマホ時代にこんな手帳が今も存在しているのか分からないけど、あの手帳はよく出来ていた。多少の雨なら濡れても大丈夫な材質で、真っ直ぐだの、右だの左だの、何軒目だの書いてあった気がする。
 そして慣れてきた頃に事は起きる。全ての家を把握し、手帳とさよならしたタイミングでの配り忘れ。最後の家を配り終えた後に一部残ってしまったときの恐怖。間違えて余分に積んだだけと、自分に言い聞かせて帰宅し、眠りにつく。販売所から掛かってくる未配の電話。お詫びのスポーツ新聞を片手に向かった現地は、太陽が眩しかった。
 
 その他、雑誌のようなチラシの束に辟易した元旦の配達。台風の中、疾走したカブが横滑りして肝を冷やしたことも。

 今の配達員にも似たような経験があるに違いない。
 そんなわけで、お互いを知らずともきっと親近感で繋がっている、と勝手に想像している。

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