観念
今日は2月22日、ネコの日ということで、嫁さんの実家で飼っている"レモン"について書いてみよう。
もともとは去年の春先に、うちの庭に迷いこんできた子猫。飼い猫ではなさそうで、親も近くにいなかった。
「このまま一匹で生きていけるかねぇ」
と言いながらも、具体的には何もしない、偽善者のぼく。
しかし、嫁の行動は早かった。実家に電話して何やら相談している。
嫌な予感。
聞けば、前々から も う 一 匹 飼 い た い という話があったらしい。
そんなに簡単に捕まるわけないと思っていたけど、嫁は餌で子猫をおびき寄せて、あっという間に玄関の中へ閉じ込めてしまった。
しかし、ここからが大変、敵意剥き出しの猫と嫁の格闘が30分ほど続く。
「痛ッ」
笑点を見て寛いでいたぼくは、嫁の悲鳴に観念して重い腰を上げた。厚手の長袖を着こんで、手袋をして猫と対峙する。小さいとはいえ獣、「シャーシャー」威嚇されると怖いんだ。更に10分ほど睨み合ってちょっとづつ下駄箱の隅っこに追い詰めると、あれだけ暴れていた子猫が急におとなしくなった。
観念したネコって初めて見た。
そっと抱き上げて、用意してあった段ボール箱へ入れる。
そんなぼくらの苦労を知らない嫁のお母さんは「かわいい」を連発、喜んで子猫を持ち帰った。
嫁と二人で
「名前は?雄か雌かにもよるねぇ」
と話していたのだが、帰りの車の中で既に命名されていたらしい。レモンジュースの段ボール箱に入っていたから レモン 。
それを聞いた時には違和感しかなかったけれど、名前って不思議なもので、今ではもうレモンはレモンにしか見えない。
そんな彼はすっかり実家に馴染んで、先輩猫(冬に生まれた)ふゆちゃんと散歩に出掛けるまでになったとか。
2023 2 22