⭐ 「地獄の楽しみ方」 京極夏彦 P101
~たとえば「絆」。フン(笑)鼻で
笑ってしまいました~
京極さんが大学で行った特別講義の一場面。
言葉の使い方に関するお堅い講義で、あの風貌の京極さんが(たぶん)難しい顔で講義をし、受講生が難しい顔をして真剣に聞いていたら、このひとこと。
もう、最高、絵が浮かぶじゃない。
あるいは寝ていた受講生(京極さんごめんなさい)が突然の大爆笑に飛び起きて、一番面白いところを聞き逃したという。
京極さんの数ある小説に比べればペラッペラに薄い本(京極さんごめんなさい)だし、こういう面白いコメントが適度に散りばめられているので、ものすごく読みやすい。京極作品はハードルが高いと思っている人、この落差を体感せよ。
⭐「スカル・ブレーカ 」森博 嗣P94~101
~侍ならならば、刀を放すな!~
森博嗣さんが描く剣豪小説は切れ味が違う。
緊迫と脱力がジェットコースターのように訪れる展開に、ページをめくる手が止まらない。
命を賭けたこの場面。主人公ゼンの抱えている孤独がひしひしと伝わってきて、読み手を魅了する。
アニメ化を切望。恐らくぼくに、実写は耐えられない。
2023 5 5