116 本の・少し
二人との出会い
つぶやきシローさんの短編集「私はいったい何と戦っているのか」の第5話。
時代が遡って、主人公の結婚にまつわるエピソード。これまたずいぶん力業できたと思ったけど、前の4話で主人公のキャラが確立されているから、それほど違和感なく受け入れちゃう。
内引き
第6話。この短編集の中では極めて現実的なお話。というのも現実では物事が都合良く順番にやってくることはない。家庭があって 仕事があって プライベートがあれば、大変なことも つらいことも 嬉しいことも 楽しいこともゴッチャになってやってくる。主人公は器用なのか、不器用なのか、それらのことを全部背負いこんでしまう。これという解決、結末が書かれていないのも現実っぽい。
司令塔
最終話。ひとつ前の続きなのね。あれは、ああいう形で終わりの話だと思っていた。もしそうだったなら、ぼくも春男(主人公)も辛い思いをしなくて済んだのに。6話で春男が抱え込んだ数々の問題が切ない形で着地していく。
ぼくが最初に予言した「きっと伏線もどんでん返しもなくヌルっと終わるだろうけど、それでいい」は、結構いい線いってた?伏線やどんでん返しは常に春男の頭の中だけで繰り広げられていた、ということで。
2022 10 1