238 ひとりごと
綱渡りのゴールド免許
車の運転で一時期、右折しようとして左側から来る走行車とぶつかりそうになったことが、たて続けにあった。
同乗者に「今、左見ないで行ったでしょ」とか言われるくらい ひどいんだけど、ちゃんと顔を向けて目で確認をしている自覚はある。
自分でもちょっと怖くなって、視力に問題があるのでは、眼科へ行ってみようか、と真剣に悩んでいた。
ところが、その原因は全く別のところに。
当時、職場には ぼくとまったく馬が合わない従業員がいて、仕事では、ぼくの運転で彼が助手席、というシチュエーションが多かった。
まあ、文字通り「顔も見たくない」という状況なわけ。これがどうも無意識のうちに刷り込まれたみたいで、彼が居ようと居まいと、助手席方向への視線は形だけ、ということが起こっていた。
何かの拍子にもしかして、と思い、動作だけに拘るのではなく、見た景色を強く意識するように心掛けた。
ビタッと症状がなくなり、あらためて考えさせられた。普段、目で見ているものは、厳密には脳で見ているんだ。
こんなこともあった。眩しい夕日に気を取られて「あっ、信号無視しちゃった!!」と思ったら、ひとつ手前の信号のない交差点だった。
今までまったく気付かなかったけど、信号以外の交差点の造形は それぞれよく似ている。
「お前の不注意なだけだろ」と言われれば、返す言葉もないけれど。「運」で守られるゴールド免許より、サポート運転、自動運転、早く庶民のところまで降りて来て。
2023 11 19