今日は1日「創作落語」三昧
#1 さよなら動物園 桂文枝
#2 ぼやき居酒
#3 焼酎はいらんかえ
#4 スキヤキ
#5 一杯のかけそば
桂文枝さんの「創作落語」の中から時間経過が楽しめる作品をピックアップ。
#1は閉園する動物園から日ごとに動物いなくなっていく話。他の園へ引っ越していく動物、脱走を試みる動物。残された動物の哀愁が面白おかしく描かれている。
#2、3は酔っぱらいの話。コントでも酔っぱらいは定番だけど、落語の場合はシラフから徐々に酔っ払っていく過程がまた、楽しい。
#4は、「ないもの」を「ある」ように想像させるはずの落語が、本物のスキヤキを作ってしまうという、ハプニング込みの意欲作。
#5は大晦日の押し迫った感じをみんなで共有できる人情噺。
以前、「桂三枝大全集~創作落語125撰」をビデオテープ(数十本)で持っていて、それをDVDにダビングしようか随分迷った時期があった。しかし、そんな機械音痴の悩みを飛び越えて、今ではYouTubeで簡単に見られる時代になってしまった。恐ろしい。
桂文枝さんイコール「新婚さん」(長い間、お疲れ様でした)のイメージが強いけど、「創作落語」を知らずに文枝さんを語るなかれ。
以前の記事を遡ると、2020年に「創作落語」の数は300作に到達したらしい。昔のインタビューで三枝さんは「後世に残せるような作品は少ない」と謙遜されていたけれど、実際はどの作品も楽しいもの、面白いもの、聞き入るものばかり。
「古典落語」なら当然、1つの演目をいろんな落語家さんたちが披露しているわけだけど、文枝さんの「創作落語」を今の他の落語家さんが演じているケースを、ぼくは何回か目撃している。文枝さんの作品がこれから「未来の古典」になっていく証でしょう。
1回だけ、独演会で三枝さんの生の落語を見たことがあるけど、尋常じゃないウケ方だった。会場が揺れるとはこのことかと。
2022 5 23